キャラクター大全 ウルトラセブン

本書に興味を持たれた方の中で、大半の方は昨年夏〜今年初頭に発売された同じ「講談社キャラクター大全」シリーズの、「総天然色ウルトラＱ」上巻／下巻を手に取られたのではないでしょうか？本書は、上記ウルトラＱとほぼ同じ内容・構成でウルトラセブンをまとめたもの、と理解して良いです。私は講談社の名物カメラマン大島康嗣氏の特写スチールの未公開分が今回多く掲載されるのでは！？と大いに期待して購入したのですが、結論、確かに初露出のスチールかもしれませんが、「既出スチールの微妙なアングル違い」等が多く、本書で初めて明かされたスチール、番組に関わる隠されたエピソード、新発掘の番組資料等は殆ど無いようです。僅かに「未映像化作品」の紹介は有りましたが、これも「セブンファン」なら（多分）既知の内容だと思います。帰マン〜８０までの出演歴、平成セブン１６話、セブンＸの記事も載ってはいますが、見開き２頁に強引に詰め込んだ感じ（因みにモノクロ頁）で、何だか「何とか詰め込みました」感が漂ってます。巻末には森次さん、ひし美さん、満田監督（当時）のお三方による座談会もあるのですが、残念ながらモノクロ頁でしかも座談会が話の途中で何だか尻切れトンボのように急に終わって、次をめくったら最終ページだった…、という感じでした。「ウルトラセブン」という作品を一度全体から俯瞰（ふかん）するには良書かもしれませんが、私は買った後で「無理して買うほどの書籍・文献だったかな…？」という気持ちが強く残りました。「作品に対する編集者の愛が感じられない」、「４５周年なのでとりあえず出しました」的でしょんぼりです！「名作ウルトラセブン４５周年記念」に、この内容でこの値段は果たして相応しいか？と正直疑問です。購入される方は、可能なら一度内容に目を通してから、値段をよく見て、購入判断する事を強くお奨めします。講談社さんの「ウルトラセブン４５周年記念本」は桑田先生＆一峰先生のマンガ総括本である「ウルトラセブン・ザ・ベスト」（別稿でレビューしているのでご参照下さい）に続き２冊目ですが、正直、私には「購入２連敗」の感が拭えません。ウルトラセブンがＴＶ史に残る名作なだけに、もっと作品への愛を込めた編集をしてください！！講談社さん！！お願いします！！●補足恐らくこの「講談社キャラクター大全」シリーズには「初代ウルトラマン」もその内エントリーされると思いますが、この状況ではとても期待できません……。嬉しい「裏切り」を心から祈念します！