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法の精神〈中〉 (岩波文庫)

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によって モンテスキュー
4.2 5つ星のうち3 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより) アメリカ合衆国憲法をはじめ諸国の法・政治思想に多大の影響を及ぼした三権分立論を含む上巻(第1・2部)に続き、本巻では、古今東西の豊富な資料に基づいて風土とさまざまな法律との関係を考察し、風土的決定論として名高い第3部と法律と商業・経済との関係を論じた第4部を収める。初の完訳決定版。
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「政治的生態史観」を唱え学際的な東南アジア研究を開拓した亡き矢野暢は、自分にとって「一冊の本」はなにかと聞かれたら『法の精神』をあげると書いていた。矢野は本書を地域研究の入門書として読んだという。もちろん本書は三権分立と法の支配を基本原理とする制限政体を論じた政治思想の古典であるが、風土と習俗、政体の関係を論じた歴史社会学あるいは比較文明論の先駆としての意義は見過ごせない。とりわけ本巻では古今東西に広く題材を求め、自然環境と風土を媒介として歴史と文明が縦横に論じられており、読み物としても最も面白いパートが収められている。例えば、アジアの専制体制とヨーロッパの封建的分権体制の違いをアジアにおける大平原の存在とヨーロッパにおける自然の国境によって説明している。アジアでは国土が広大であるがゆえに、隅々まで統治が行き渡るには権力は強大でなければならないという。その結果、アジアでは一人の強者と多数の弱者しか存在せず、ヨーロッパでは分権的競争関係を通じて互いが切磋琢磨し、強者が強者に対峙するという。加えてアジアの温暖で平地の多い穏やか自然環境は怠惰を生み、ヨーロッパの寒冷で山岳地帯の厳しい自然環境はそれを克服するために勤勉で強靭な精神を生むとされる。風土決定論の色彩がかなり強いが、後のヘーゲルやマルクスに通じるアジア的停滞論の原型がここにある。他方で悪しき立法者は風土の難点を助長し、良き立法者はそれに対抗するとも言われており、機械的な決定論とまでは言えない。インドは悪しき立法者、中国は良き立法者であるとしているのは、18世紀に流行した「シノワズリー」の影響による中国贔屓もあるだろうが、既に衰退期に入ったムガール帝国と、乾隆帝在位のもと最後の隆盛期を迎えていた清朝との力の差を映すものと言うべきかも知れない。モンテスキューとて時代の子である。

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