役の行者 (岩波文庫)

役の行者について調べている過程でこの本の存在を知り読んだ。物語自体は伝説に基づく創作らしいが、まるで作者坪内逍遥が西暦６００年代の当時を見て書いたのでは、と錯覚するほどの迫力と風景描写。実のところ読めない旧漢字が多数あって調べることもせず乱読したが、それでも迫力が伝わってくるのは戯曲の台本故だろうか。大正の時代に大衆が熱狂したと言う戯曲にも興味がわいた一冊だった。